TECHNOLOGY
水系正極製造技術

概要
NMPフリーで実現する、低環境負荷型の正極製造
「高性能」と「サステナブル」の両立へ。
リチウムイオン電池の正極製造で従来使用してきた有機溶剤(NMP)を「水」へ置き換える水系プロセスを開発しています。環境負荷の低減と製造コストの抑制を目指しながら、高い電池性能との両立に取り組んでいます。
01
環境負荷・コストの低減
02
安全性と作業環境の向上
03
高度な分散・塗工技術
特徴
環境負荷・コストの大幅低減(Ecology & Economy)

- NMPフリー: 有機溶剤不使用によりVOC排出を抑制し、環境規制に対応。
- 省エネ: 溶剤回収工程が不要となり、乾燥・回収にかかるエネルギーとコストを大幅カット。
- 設備簡素化: 防爆設備や回収装置を簡略化でき、初期投資・ランニングコストを低減。
安全性と作業環境の向上(Safety)
有機溶媒系と水系の正極電極製造プロセス技術比較
環境負荷の低減、安全性向上 設備・ランニングコスト低減
| 比較項目 | 有機溶媒系 | 水系 |
|---|---|---|
| 生産性 | 有機溶媒系高 | 水系高 |
| 電力消費 | 有機溶媒系多 溶媒の回収・リサイクルが必要 | 水系低 通常環境下で生産可能 |
| コスト | 有機溶媒系高 回収・リサイクル・人体保護設備への投資が必要 | 水系※5億円/年・GWh削減 |
| 安全性 | 有機溶媒系安全対策が必要 可燃性・人体有害 | 水系安全 |
| 環境負荷 | 有機溶媒系高 NOxなどのVOCを排出する可能性 | 水系低 ※600ton-CO₂/年・GWh削減 |
- 可燃性溶剤を使用しないため、火災リスクを低減し、製造現場の安全性を確保。
高度な分散・塗工技術(Technology)
水系化塗料のアルカリ化が引き起こすアルミ集電箔の腐食を開発した添加剤で克服し、塗工に適したスラリー(分散性、粘度)調整


- 長年の知見に基づき、難易度の高い「水系正極スラリー」の分散、粘度制御、電極密着性を最適化。従来プロセスに劣らない電池特性を確立。
開発方針
単なる溶剤の置き換えではなく、以下の多角的な最適化により「高品質な水系電極」を実現します。
当社の技術的アプローチ
- 開発添加剤及び水系バインダーの選定・最適化:密着性と電池性能の両立
- 高度な分散制御技術:活物質・導電助剤の均一なネットワーク形成
- レオロジー制御:高精度な塗工・乾燥プロセスの構築
今後の展望
電池の「つくりかた」の進化
私たちは、電池の「中身」の進化だけでなく、その「つくりかた」の革新を通じて、持続可能な社会の実現に貢献します。水系正極プロセスの高度化を推進し、次世代リチウムイオン電池の量産技術をリードします。